公開日: |更新日:
銅を使用する「銅像」のメリットを分かりやすく解説しています。また、銅像・仏像・石像の違いについても深掘りしているので、記念となる像をどんな素材でつくるべきか迷っている方は参考にしてみてください。
銅を使用する理由は、鉄よりも銅の方が溶かしやすく、加工しやすいメリットがあるためです。銅像に使用される銅は、青銅といって銅と錫(すず)を混ぜた合金。鉄よりも融点が低く、低い温度で加工できるのが特徴です。その分、コストパフォーマンスに優れています。また、長い間設置するなら、鋳鉄よりも錆びにくい青銅を使った銅像を製作するのがおすすめ。鉄で像をつくるケースもありますが、長く残す目的なら青銅を使った銅像をつくるのが一般的です。
肖像(特定の人間の外観を表現するもの)は、一般的に銅を使用して作られるケースが多いですが、ほかに選択肢がないわけではありません。木や石で製作される像もあります。
石像は、その名の通り石で造られた像です。石を材料とするため、大きめの像を製作する場合は大きな石を用意する必要があります。石を彫って特定の形を作っていく手法なので、鋳造する銅像とは作り方がまったく異なるのです。
また、巨大な仏像は耐久性が求められるため、銅製が多い傾向。1995年にギネスブックの認定を受けている世界最大の青銅像「牛久大仏」は120mもあります。石像の中には高さ27mの「平和観音」もあるので、30m前後までなら石で仏像を製作することも不可能ではありません。ただし、「平和観音」が製作されたのは昭和23年9月であり、それ以降大きな石像は作られていないのが現状です。
木像は木でつくられる像です。日本では、主に仏像の素材として木が使われています。1本の木を彫刻して作る「一木造」と、複数の木を組み合わせて彫刻する「寄木造」があり、一本造の場合はあまり大きなサイズの像をつくることができません。調湿性が高いメリットがある反面、火に弱く、耐久性も低いデメリットを持ち合わせています。
銅像が銅100%で製作されるケースはごくまれです。その理由は、銅のみで製作するよりも、他の金属と掛け合わせた合金のほうが強度・耐摩耗性・耐蝕性などが向上するため。長く歴史に残せるように、銅と錫(すず)を混ぜた合金(青銅)で銅像を製作するのが一般的です。
銅と青銅(銅と錫を混ぜた合金)では、青銅の方が融点が低く加工しやすいといえます。青銅に使われている錫(すず)は柔らかくて融点が低く、錆にくいのが特徴です。ただ、単体で扱うには柔らかくて耐久性がないため、銅をはじめとする他の金属と混ぜ合わせる必要があります。銅だけだと硬すぎて、錫(すず)だけだと柔らかすぎるため、これらを掛け合わせた青銅で銅像を製作するのです。錆にくく耐久性の高い青銅は、屋外に置く銅像にも適しています。
※2…2021年7月時点で公式サイトに掲載されていた情報(等身大69cmの胸像の価格)
※3…2021年7月時点の電話調査による情報
※4…2021年7月の電話調査による情報
※5…2021年7月の電話調査による情報(料金は等身大70cmの胸像の価格)