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いろいろな場所に設置されている銅像は、さまざまなポーズをとっています。このポーズにはどのような意味があるのでしょうか?本記事では、銅像のポーズの種類や、銅像を制作するにあたってのポーズの採用方法などについて詳しく解説しています。
長崎市の平和公園にある平和祈念像は広く知られています。制作者は長崎出身の彫刻家で、この像は神の愛と仏の慈悲を象徴し、天を指した右手は「原爆の脅威」を、水平に伸ばした左手は「平和」を表しています。また、軽く閉じた瞼は「原爆犠牲者の冥福を祈る」という想いが込められているそうです。
銅像「登呂の光」も、立って手を上げているポーズです。左腕を斜めに上げ、手のひらには炎が乗っています。視線は炎を見上げ、左手は体の後ろ側にまっすぐ下り、左足が前に出たスッキリ見えるポーズです。
立っているポーズは、銅像の中でも特によく見られます。弥生時代の母と子をモチーフにした「土器と母子」は、親子の銅像で、2人とも立っています。母親の左手は頭に乗せた土器を押さえ、右手で子供の手を引いています。立って歩いている様子の銅像です。
「黒田清隆之像」は、悠々と立っているポーズの銅像です。右足が少し前に出ていて、胸を張ったポーズをとっています。「娘」という銅像は、腰に手を当てて立っているなど、同じ立っているポーズでも、とても立ち姿の種類が豊富です。
「雪娘」という銅像は、腕を大きく上げていてバンザイをしているようにも見えます。右手は望遠鏡を掲げ、左手は歓喜をあらわすかのように上に広がっています。別府駅に設置されている「油屋熊八」もバンザイのポーズをしている銅像として有名ですね。
バンザイをしている銅像は多くありませんが、目立つポーズなので強く印象づけることができるのではないかと思われます。
平和祈念像をはじめ、銅像のポーズには銅像の設置理由とリンクするような意味が込められているものがとても多いです。先に紹介した銅像のポーズも、伝えたいメッセージや人物の個性を前面に出しています。銅像制作においてポーズに悩んだら、制作する意図やその人の個性などをもとに検討するとよいでしょう。
ポーズの決め方の代表的なエピソードとして、新型コロナウイルス感染による肺炎で亡くなったタレント、志村けんさんの銅像が挙げられます。志村けんさんの故郷である東京都東村山市に、銅像が設置される計画が進められているそうです。銅像のポーズには志村さんの定番ポーズ「アイーン」を採用することが決定しました。ポーズは実行委員が深く検討し、人気ギャグ「だっふんだ」「ヒゲダンス」などの中から、「志村さんらしい姿」として「アイーン」を選んだのだとか。
銅像を制作する際には、基本的な知識を抑えておくと依頼しやすいですし、作業工程を理解しやすいです。以下の記事では、銅像のさまざまな基礎知識を解説しています。これから銅像の制作を検討している人、旅行先などで銅像を見かけて興味もたれた人に参考にしていただけたら幸いです。
※2…2021年7月時点で公式サイトに掲載されていた情報(等身大69cmの胸像の価格)
※3…2021年7月時点の電話調査による情報
※4…2021年7月の電話調査による情報
※5…2021年7月の電話調査による情報(料金は等身大70cmの胸像の価格)